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目の前にドアがある。僕はそれを開けた。どこかで会ったような気がする人がいた。
「久しぶり」その人が声をかけてきた。
「お久しぶりです」
「元気そうだな」
「そうなんですかね? どうなんでしょう? そんな気がしないでもないですけど」
「それは何よりだ。元気が一番、根性二番、三四が気合で五に笑顔ってな」
「本当にそうですね」僕は愛想笑いをした。
「じゃあ。元気でな」
「はい。ぜひ、お願いします」
「じゃあな、ありがとうな」
その人は去っていった。振り返ると、もういなかった。僕の目の前にはまた新しいドアがあった。僕はそれを開けた。
見たことはあるが、名前が思い出せない人がそこにいた。
「あれ? こんなところで何してんの?」
「特になにも」
「変わらないね」
「ほんとそれ」
「谷村君、ちょっと痩せた?」
「いや、そんなに変わってないと思うけど」
「そう、なんかそんな気がしてさ。でも、またいつか会おうね」
「はい、ぜひ、お願いします」
「ありがとうね」
その人は去っていった。振り返ると、やはりいなかった。またドアが目の前にある。僕はドアを開けた。
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