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3枚になった便箋をまとめて破ると、氏原から渡された原稿と名刺、退職届とともにデスクに置いた。
その横に、まとめた荷物用の伝票と送料、そしてずっと返しそびれていたホテル代のお金を入れた封筒を並べて、それぞれに付箋を貼り付けた。
荷物用の伝票には実家の住所を書いている。今のところ帰るつもりはないけれど、他に返送先がないので仕方ない。
ホテル代のことは何回言ってもはぐらかされたので、泊まったホテルをネットで調べた。まったく同じ部屋は出てこなかったため、似たような広さの部屋を探して計算した金額を入れている。
これで借りていたものも、言い残したこともない。
すべて終わりだ。
時間を確認すると、もうすぐ11時だった。
いつまでもこうしていたら、離れがたくなる。
「あ、そういえば…」
最後に忘れ物はないかもう一度部屋を見回して、引き出しやクローゼットを確認していたとき、清流はあることを思い出してキッチンへと急いだ。
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