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13. 昼なのに暗い
気づくと、オフィスの窓に雨がパラパラと当たる音がした。
朝のニュースでは夕方から降り出す予報だった。
だいぶ早まったな、と洸はガラスを伝う雨粒を見るともなく見ていると、部長?と声を掛けられて我に返る。
「あぁ、どうした?」
「いえ、どうしたはこっちの台詞なんですけど。現状の問題点と改善提案をまとめた俺の力作、どうですか?」
洸は手元のEC事業刷新の提案書に目を落とす。元情報システム部の舞原にとっては得意分野だろうと今回任せたものだ。
「よくまとまってる。現場の意見も反映されてるし、チャネル拡大時の汎用性も高そうで悪くない。
ただベンダー選定時のキーが分かりづらいな。機能要件はどこもほぼ満たしてるだろうから、コスト以外で経営陣に刺さるポイントがほしい」
「分かりました、そこはもう少し練ってみます」
「頼んだ」
頭の中でメモを取りながら、舞原は自分の資料はきっちりチェックされていたことを知る。上の空のように見えたのは気のせいか、と資料を受け取りながら洸を見た。
「そういえば清流ちゃん、今日は体調不良でしたっけ?入社してから初めてですよね、休むの」
「あぁ、そうだな」
「なんか先週からずっと元気なかったし、心配っすね」
「先週から?」
頬杖をついたままノートパソコンを見ていた洸が、顔を上げる。
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