キミに「好き」だと伝えたい

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そっか。小学校も今日から始まるのか。 今日から2学期が始まり、夏休みも本当に終わったんだと嫌でも思わされる。 すると、一匹のトンボが私の目の前を飛んでいく。 秋の訪れを感じながら、私は学校へと向かった。 ◇ 「あっ、純夏。おはようー!」 家から15分ほど歩いて学校に到着。 私が昇降口でスニーカーから上靴に履き替えていると、友達の千鶴(ちづる)に声をかけられた。 「おはよう、千鶴。もしかして、ちょっと日焼けした?」 夏休み中に一度会ったときよりも、千鶴の肌は少し黒く見える。 「ああ。家族で海に行ってきたの。あれ? 今日、中嶌くんは?」 「えっと、海は……」 1学期までは毎日のように一緒に登校していた海の姿は、どこにもない。 「あっ、そっか。思い出した。中嶌くん、転校したんだったね。ごめん、純夏」 「ううん」 千鶴に『転校したんだったね』と言われて、胸がひどく疼いた。
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