キミに「好き」だと伝えたい

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千鶴とお互いの夏休み中の話をしながら、1階から3階の教室まで歩いて来た。 窓際の一番後ろの自分の席に座ると、私は教室を見渡す。 クラスメイトは皆、それぞれの友達と楽しそうにお喋りしていて。1学期までと何ひとつ変わらない光景だ。 ただ、1学期まで同じクラスだった右斜め前の海の席だけが空席で。 海は、ここにはもういないって分かってるはずなのに。 海の姿を探して、何をやってるんだろう私。 自分で自分にため息をつくと、私はスクールバッグからペンケースやノートを取り出し、机の中へとしまう。 するとそのとき、机の奥のほうに紙切れが入っていることに気がついた。 何だろう? 取り出してみると、それはルーズリーフを四つ折りにしたもので。 私は、すぐにルーズリーフを開いて中身を確認する。 ……え。 ルーズリーフにボールペンで走り書きされた文字を目で追ううちに、私の目にはうっすらと涙が浮かぶ。
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