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「ばーか。冗談だよ。お金なんていらねぇ。それに純夏、一昨日誕生日だったろ? まだ渡せてなかったからさ、誕生日プレゼント」
「海……」
「俺今金欠でさ。300円で取った景品で悪いけど」
「ううん。全然悪くない」
私は、首を横にふる。
「すごく、すごく嬉しいよ」
私は海からもらったぬいぐるみを、ぎゅっと抱きしめる。
どんなに高額な物にも負けない、大好きな海の思いがこもったぬいぐるみ。
ずっとずっと、大切にしようと思う。
「なぁ、純夏。腹減った。屋台で何か買って食おうぜ」
「うん。そうだね」
当然のようにこちらへと伸ばされた海の手に自分のものを重ねて、二人並んで歩きだす。
それからは、ソースの香ばしい匂いにつられて焼きそばを購入して食べたり。
毎年行列のできる人気のたこ焼き屋さんのたこ焼きを、海と半分こして食べて。
海と金魚すくいでどっちが沢山金魚をすくえるか勝負をしたりと、お祭りを思う存分楽しんだ。
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