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モンタージュの肖像
その日、駿河早紀は、制止する悦子には目も暮れず、聞き分けも無く、成城警察署の館内へと訪れていた。
「‥‥‥‥これって、こんなので良いのかしら?‥‥‥ワタシ、職務違反してそうで、後が何だか怖いかも。。。」
エンジンの掛かったハイテンションの早紀に対して、最早、言い聞かせる術を失っている悦子は、独り言の様に絵空事を口走りながらも、捜査線上に浮かぶ犯人像を暗中模索しながらデスクに向かっていた。
「‥‥‥ネェ、早紀ィ!‥‥‥今日の事は仕方が無いけど、捜査に関しては、絶対に横から口出しなんてしないでヨ?」
何やら、ホロ酔い気分にも見える早紀は、軽やかに返事をした。
「‥‥‥ハイハァ〜イ、分かってまぁ〜すぅ。泥舟に乗ってるつもりで、このアタシにマッカせなさぁ〜〜イ!!!」
(‥‥‥昨日の夜のお酒。未だ、アルコールが抜けて無いわネ。。。此奴!)
丁度、その頃、第一捜査係のデスクを囲み、江藤茂巡査部長は、他の柳田班の面々と向かい合い、事件の概要に対して、捜査会議に熱を溢しているのだった。
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