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モノローグ 〜 あの頃のままで‥‥
(‥‥‥‥‥‥‥‥‥。。。)
「‥‥‥お客様、乗車券を確認致します。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥それと、そのお荷物の方、少々、中身を拝見させて頂けますか?」
「‥‥‥‥‥‥‥。。。」
西暦2022年12月24日。山陽新幹線爆破事故から3週間程が過ぎようとしていた頃。それ以来のボクは、虹谷百合子の日常を奪った、同じ路線の新幹線に乗車していた。そう。小麦粉爆弾。‥‥‥プラスチック爆弾の信管の部分を、ボクなりにアレンジして誂えた、爆発物を懐に携えて!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。。。
あの日以来、事件の概要を知る事は出来たとしても、その犯人像に迫る事も至る事も叶わなかった。それが、調理に関する要件だったのなら、どうにか出来るのかも知れない。が事件の事になると、ボクには、人脈そのものが揃ってはいない。
只、ひとつ言える事があるならば、それは、百合子の日常は二度とは取り戻す事の出来ない、蜃気楼の様なモノ。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。。。
「‥‥‥こ、これは一体!‥‥‥アンタ、この車両で何をするつもりなんだ?」
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