モノローグ 〜 あの頃のままで‥‥

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「‥‥‥アナタには、罪を犯させたりはしたく無い。もしも、それでも、それを爆発させるって言うのなら、ワタシは!」 そう言うと、悦子は、懐からスミス&ウェッソンのリボルバーを取り出して、その銃口をこのボクに向けるのだった。 「‥‥‥‥‥え、‥‥つ子。」 彼女は、ボクに向かって叫んだ。 「‥‥‥だから、お願い!‥‥‥このワタシにも罪を背負わさないで。。。」 「‥‥‥‥アッ、‥‥ウッ。。。」 その時、ボクは、身動きひとつ取る事も出来ず終いになってしまって、‥‥‥ボクは、ボクは、‥‥‥ボクはッ! 唐突に、純名が、ソロリソロリと足取りを緩めながらボクの傍らへと歩み寄って来る姿に気付いた頃には、ボクは、懐に携えてあった爆弾を彼女に回収されてしまっていた。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。。。 (‥‥‥ボクの復讐は、終わったのかも知れない。‥‥‥ボクにとっての復讐の風は、吹き抜けて行くどころか、突如として吹き抜けて来る北風に煽られて、一緒に通り過ぎて行ってしまったかの様に、何事も無く、事なきを得るに至った、かの様に思われた。) その時、ボクは、ゆるりと立ち上がり、迷う事も無く、悦子の傍へと近付いて行き、そして、両腕を彼女の目前に差し出した。
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