真相は藪の中で語る

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真相は藪の中で語る

ボクが、山陽新幹線の車内で引き起こそうとした事件に関しては、悦子の取り計らいで、事なきを得るに至ったのだけれど。 ‥‥‥山陽新幹線爆破事故。。。 一体、何者が、何の為に起こしてしまった出来事だったのだろうか? ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。。。 全ての真相は、坂巻悦郎が残していたと言われるUSBメモリの中で語られていた。何度となく坂巻の家の隣に出入りをしていた、ひとりの男の素性。 男の名は、洞之上 卓也。 悦子にとっては、忘れもしない、いや、忘れる事も出来ない程の、因縁浅からぬ人物。源太郎が生前、自発的に投降させるに至った相手。洞之上は、あの後、服役していたものの仮出所に神代玲美と出会っていた。 詳しくは、洞之上は先天性の知的障害を抱えており、それ故に、罪に問われる事も出来ずに不起訴処分となっていたらしい。それよりも以前、彼は、最寄りの精神病院への通院や入院を繰り返しており、丁度、その病院で実習生として研修に来ていた学生のひとりが神代玲美であったらしい。 しかし、玲美は、看護師としての道は選ばずに山陽新幹線のキャビン・アテンダントの仕事を始める事となっていたのだが。それと言うのも、洞之上との関係性に距離を置きたかった、と言うのが先ず一番の理由と言っても過言では無かったらしい。
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