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学園からの帰り道、馬車で街を通っていたセレアは噂の男爵令嬢リア・セルナードとノア・ヴィアーズを見つけた。
いや、見つけてしまったのだ。
王族であるノア・ヴィアーズが男爵令嬢の首にペンダントをつけてあげていた瞬間の出来事だった。
そのペンダントはどうみても男爵令嬢が手に入れられる代物とは思えない程素晴らしい輝きを放っていた。
「嘘だとおっしゃって・・・」
そう消え入りそうな声で呟いたセリアに馬車に同乗していたセリアの侍女は立ち上がった。
「すぐに旦那様に報告しましょう」
「大丈夫です。セリア様は何も悪くありません」
侍女の言葉にセリアはすぐに反応出来なかった。
しかし、セリアは屋敷に着くまえに侍女に口止めを命じた。
何故ならセリアは婚約者であるノア・ヴィアーズを建前ではなく愛していたからである。
いくら王族とはいえ婚約者がいる身で他の令嬢と恋仲であるなど、醜聞どころの話ではない。
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