一章

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「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」 男爵令嬢と恋仲でありながら、私に平然とそんなことも言えるのね。 「ノア様、私はノア様の幸せを願っております」 これは本心ですのよ、ノア様。 貴方が幸せになれるのなら、私以外の人と結ばれても許せますわ。 「セレア、話を聞いてくれ…!」 「私はもう話すことなどありませんわ」 私は立ち上がり、屋敷に戻ろうと侍女を呼んだ。 「セレア!」 この時の私は気づいていなかった。 私のこの対応でノア様の態度が急変することを。 まさかノア様が私を溺愛するなど考えてもいなかった。
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