極道なお義兄さまに淫紋を刻んだお嬢の愛は翼となって舞い降りる

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 淫紋はいまも物欲しそうに疼いているけれど、息子がいるいまは我慢、我慢。  そんな羽鳥を見て、紫雀がニヤリと笑う。 「一緒にいたから、天使のような君が舞い降りてきたんだ」  羽鳥を女神だと言い、紫翼を天使だと言う、そんな紫雀の言葉に息子はきょとんとしていたけれど。 「じゃあ、つばさくんのおじさん、しよくんのパパ?」 「そうなるな」 「だからママとにっしょなんだね」 「これからはしよくんともにっしょ?」 「ああ。嫌か?」 「いやじゃない! いやじゃないよだってしよくん知ってるもん、だってママ」  ――だってママ、ずっと待ってたんだもの。しよくんとにっしょに。  その呟きに、羽鳥の涙腺が決壊する。ぽろぽろと泣き出した羽鳥をはだかの胸に導いた紫雀は恥ずかしそうに息子に告げる。 「ただいま」  これからは家族ずっと、一緒だよ――…… ――fin.
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