終話・"僕のお嫁さんになってください"

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 帰り支度を終え、スガワラさんと一緒に退勤した。 「また来週の夜勤も一緒に頑張りましょうねぇ!」と言いながら、スガワラさんは僕に手を振って帰りの電車に乗っていった。  僕も別の電車に乗り、窓から差し込む朝陽に照らされながらぼんやり考えた。  ──結婚、か。  そのワードで頭がいっぱいになってしまう。  そういえば去年、彼女は話してくれたな。「お父さんのことも考えてあげて。できることがあれば協力する」と。  あの言葉の中には、深い意味があるのだと僕は理解している。  ……いざ結婚となったとき、僕たちはこのまま日本で住むのだろうか。いつかは上海で暮らすことになるのか。僕の都合だけではなく、彼女の意見や考えも尊重しなければならない。  それに、もしも、いつか奇跡的に子供を授かることができたならば、国籍や教育の方針なんかも話し合うべきだよな?  考えれば考えるほど、未来に起こる問題や悩みが湧き出てくる。  けれど僕は、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。むしろ、わくわくしている。   彼女との未来を思い描くことは、僕にとって幸せなひとときだ。
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