(18)薬局vsトルコ行進曲

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 昼間は過ごしやすいが、肌寒くなってきた。10月11日水曜14時、天気は快晴。いろはが精神科受診。  次に薬局を訪れた時もTVはトルコ行進曲の番組。愉快な指揮者が棒を振っている。  彼女の名前が呼ばれた。  「坂町さん」  「はい」  「はい」  「はい」  返事が3回重なった。  この時、御門には連れがいた。彼と同世代、細身長身の男性。絵画の中の聖職者のように透き通った肌をして、やはり魅惑的な青年だった。癖のありそうな直毛の凪に比べて、二人目の彼は同じようなショートヘアだったが、毛質が細く、ふわふわとした髪型だった。  「あなたは」  市松がうろたえると、新しい彼は「兄です」と答えた。  「その薬、オレが代わって飲みましたが、いろはと同じ、睡魔と電磁波被害に遭いました。薬物が混入されています」  「くっ、薬は眠くなるものです」  「就寝時の電磁波被害については、どう説明なさいますか?」  「さあ、どうしてでしょう。精神科のお医者さんにご相談なさっては」  「わかりました。いろは、行こう」  いろはは薬を受け取る。御門、あと一人と一緒に、トルコ行進曲に送られ薬局を後にした。  通り道で尋ねた。  「御門さん、その方は」  「若鷺仁。オレと同じブルーフェニックス隊員だ」  「よろしく」  仁が眩しい笑みを浮かべた。
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