世界でたった1人の私

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小学生だった私は支度がのろくて 学校では朝の会が終わり 授業が始まる時間に入っていた。 「学校、行きにくいよ〜」 私がもじもじしていると 責任を感じたお母さんが 仕事を午前休みにして 小学校の教室まで付いてきてくれた。 すでに授業に入って静かになっていた教室に 後ろのドアをカラッと控えめに開け 「遅れてすいません…」 お母さんが小声で謝って 私を教室に押し込んだ。 教室のみんなが一斉にこっちを向いた。 私は 下向いたまま小走り自分の席まで行って カタンと座る。 「あ、連れてきていただいてありがとうございます」 先生がお母さんに微笑んだ。
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