世界でたった1人の私

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その時から 私の中に もう1人の私が心に現れるようになったんだ。 1人の私は みんなの前でいつもと変わらない明るい私を演じ もう1人の私は クラスのみんなが私のことをどう見ているのかビクビクしている。 そして、何かが変わった…。 仲良しグループで話している時 私が話し出すと みんな黙るような気がする。 教室の端から 数人で私の方を見て 何かヒソヒソ話しているような気がする。 友達に声をかけても そっけないったり聞こえなかったふりをされているような気がする。 授業中、私が手を挙げると どこかでクスクス笑われているような気がする。 どれもこれも「気がする」ばっかり。 何も証拠がない。 ただ、何かが空気に乗って伝染していくのを感じる。 毎日この「ひっかかること」がどんどん増えていった。
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