世界でたった1人の私

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小学校を無事卒業して中学生になった。 私の行っていた公立小学校は ほとんどの人がそのまま同じ中学に上がる。    そして当たり前のように 小学校時代の友達は 自動的に 中学生になってもそのまま繰り上げられる。 クラス替えして新しい友達を作ったりするけど 相変わらず小学校時代に仲良い子はそのままの関係だ。 中学生になると、私は 学校をズル休みする日は増えていった。  そのうち 遅刻して教室に入って行っても 誰も私を気にしなくなった。 「また遅刻してる」 くらいのものだ。 仲良い子も 私が休んだところで気にしない。 学校に出て行けば友達同士 「あ、おはよう」 と普通に挨拶する。 私は、そののっぺりとした薄い膜の中に 抵抗もなく覆われていった。
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