世界でたった1人の私

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コチコチコチコチ… 夏掛け布団にくるまりながら 意味もなく息を潜めていると 時計の音がやけに耳に響く。 もう家の中に誰もいないのに なに緊張してるんだ? 体温、聞かれずにすんじゃったよ。 まあ、聞かなくてもわかってるか。 熱なんてないって。 手だけ布団から出し 握りしめてた体温計を枕の横に置いた。 私はズル休みの常習犯だ。 お母さんは 理由なんて聞かなくったってわかってる。 朝ごはんにリビングに降りて行かなければ 私は学校休みなんだって。
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