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その日の夕方、父は仕事に出ていたので、母と二人夕食を食べていると、電話が鳴った。
「はい。」
母が出る。
「はい、はい、あ~そうなんですね、はい、はい、はい・・・わかりました。
本人もお伝えします。ありがとうございました。」
電話を切った母は、何も言わずに泣いていた。
「どうしたの!誰からの電話だったの?何があったの!?」
「あんた、頑張ったんだって?先生から今、全部聞いたよ。
辛いときには言いなさい、一人で抱えてたら、あんた壊れちゃうよ?」
「うん、分かった。
で、先生なんだって?」
「あんたのこと褒めてたわよ?今日は彼女、すごく頑張りました、辛かったと思います。ってさ」
「そうなんだ、自分じゃ頑張ったかどうかよく分からないけど、まだ正直辛くないんだ。大人になると心のキャパも大きくなるんだね。」
そんな強がりを言いながら、二人で泣いた。
本当は寂しくて、辛くて、誰かにすべてを話したくて、でも話しても理解されず、心はもう限界だった。
いくら光を探しても、目の前にあるのは真っ暗な暗闇だった。
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