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頭のなかで、いろいろ考えているうちに昼休みになっていた。
「玲奈、他の先生と相談したんだが、本人の意思をきちんと考えたうえでだが、クラス全員とこの件を話し合う方が良いのではないかという結論なんだが、お前が話したくなければ、このままにしておくけど、どうする?」
大嫌いな担任だったが、初めてこの先生がきちんと問題として向き合ってくれた唯一の大人だった。
じーんと鼻の奥が痺れるほど熱い涙が零れた。
「大丈夫か?辛いならやめておこう?」
「いや、そうじゃないんだよ。この12年間、大人は見て見ぬふりで、今まで真剣に問題視してくれなくて、初めていじめに正面から一緒にぶつかってくれる大人がいたことが嬉しくてさ。
ありがとう、私から皆に話すよ。犯人捜ししてやろうと思ったけど、、誰が犯人でも悲しい結末になるから諦めた。」
「お前は強いな。」
「え?」
「じゃ、次の授業は俺の授業だから、その時間に皆と話そう。教室戻れるか?」
「うん。」
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