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『榊先生!藤本さん意識もどりましたっ』
看護師の言葉に和希は走り出す。
花音の病室に入るとすでに執刀医がいて花音の状態をチェックしていた。
『だいぶ呼吸も落ち着いてるし、このまま回復すれば再手術に踏み切れると思うよ』そう和希に告げ後は頼むね。と部屋を出た。
『藤本さん。気分はどうですか?』和希は花音に問いかける。
花音はまぶたをゆっくり開けて和希を見る。
まだ目を開けるのも辛いのか何度かゆっくり瞬きする。
『榊君。助けてくれて。ありがとう』
花音はゆっくりゆっくり和希に話す。
『良かった。本当に』和希は涙を堪えて花音を見る。
『目を覚ましてすぐで申し訳ないけど、簡単に数値だけ検査するね』そう言って看護師に指示を出す。
『すごいね。本物のお医者様だ』そう花音は呟くと再びまぶたを閉じた。
榊君。
やっぱり将来はお医者さんになるの?
どうかなー?
まだ決めてないけど。
きっと似合うよ。お医者様って感じするもん。
雰囲気だけじゃなれないからなー
それもそうだね。フフっ。
花音、ちゃんとなれたよ医者に。
君を助けられて本当に良かった。
和希は、遠い記憶の中の自分に言う。
お前は大事なものを守れたぞ。と
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