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花音が目を覚ました頃、廉は最後の撮影に臨んでいた。
モデル時代からお世話になっていた雑誌の撮影を最後に廉はこの世界から消える。
撮影は気心しれたスタッフばかりを谷崎が選んでくれ、廉も久しぶりにリラックスした形で撮り終える事ができた。
見開き10ページの特集のため今回はインタビューも長めだ。
これまでのLenの活動に関しての様々な質問に廉は一つ一つ答えていく。
それはまるで、一つずつ終わりを告げるカウントダウンのように感じていた。
Lenの現役最後の雑誌は飛ぶように売れ、発行部数を大幅に増刷しても店頭から雑誌が消える事態が続いた。
特集された記事の最後はこう締めくくられている。
Q.最後の質問です。
あなたにとって1番大切なものは?
A.『僕にとって、幼い時にかけがえのない人に出会いました。幼い僕はそれがどういう感情なのか分からずにいましたが、きっとあの時からずっと僕にとって一番大切な思い出で今もずっと続く想いです。それが、その想いが自分にとっては宝物です。』
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