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『おはようございます』
『先生、遅れました。』
廉は和希に付き添われて教室に入る。
『廉君、足どうしたの?』
『廉、大丈夫か?』
『足、痛そう。』
そこら中で心配の声がする。
ガタっっ。
花音が勢いよく立ちあがる。
手を口に当て廉の方を見ている。
廉はゆっくりと花音の方へ行く。
花音の前まで来ると、何か言おうとする花音を遮り廉は自分の人差し指を口元に持って行った。
大丈夫。内緒。
ささやくように小さな声で。
花音だけに伝わるように。
花音は、目に涙を溜め廉を見る。
廉は笑顔で頷いた。
その様子を和希意外にもう1人、ねっとりした視線で見ている人がいたのを誰も知らない。
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