不穏な空気

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あれから花音は順調に回復し、もうすぐ退院できる事が柳田からクラスの皆んなに伝えられた。 クラスの皆んなで千羽鶴を作り、花音へ届けられた時は泣いて喜んでいたそうだ。花音のお母さんから柳田へのお礼とともに花音の様子が知れてクラス中が安心していた。   あの後、今回の件を柳田が知る事となり、橘の両親含め本人と話をしたらしい。 和希が柳田にこれまでの事も含めて話した際に、だいたいの内容を柳田は把握していたようで『よし、後は先生に任せろ』と和希に伝えたそうだ。 橘は、あれから登校していない。 花音に探しに行けと言ってない、ただ無くなった事が悲しく泣いたのだと主張し続け他の子達が言うような強要もしてない。と言ってるらしい。 橘の両親も我が子が言う事に嘘はないはずだの一点張りで、花音側への謝罪もない。 柳田の元に経緯を話した女の子達は、その後花音宛に手紙を書き柳田経由で渡してもらったようで、緑川さんが登校したら改めて顔を見て謝ります。と言ってるらしい。 廉と和希は柳田に呼ばれ『お前達には伝えておく。』と言われ詳細を教えられた。 『子も子なら親も親だな。』 職員室を出て、廉は忌々しく言葉を吐く。   『そうだな。』和希も頷く。 『あ、緑川さんから廉宛に手紙預かってるよ。看護師から父さんに渡してもらったみたい。』 和希が可愛らしい便箋を廉に渡す。 「紫悠君へ」 丸文字の花音の字に廉は笑顔になる。 『ありがとう。後で読むわ』そう言って大事そうにポケットにしまった。
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