二人の女神

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 妹女神はため息をついた。 「あーあ、あの子がコソコソしてるの気づかないフリして楽しむのももう終わりかぁ」 「あの猫、あんたの召使いじゃなかったの?」 「ただの居候よ」 「どういうことよ?  王子となんか関係あんの!?」  姉女神は(わめ)き散らしている。 「お姉様ったら異世界の子が大好きなのに、意外と気づかないのね」 「え?」  妹女神は水晶玉に視線をやる。  元王子と仲睦まじく話す、黒髪の少女。 「んん?」  髪に結んでいる赤いリボン。それは先程までいた猫の首にあったものだった。よくよく見ればサファイアブルーの瞳も一緒だ。 「あの子……異世界から来た子じゃない!  そんでもって、さっきまでいた猫じゃない!」 「そうよー。お姉様に比べられて『お前やる気ないのか』ってお父様に言われて渋々(しぶしぶ)召喚魔法を使ったらあの子が来たのよ」 「なんで猫の姿でここに」 「異世界で酷いいじめに遭ってて、転移後も人間不信でここに引きこもってたの。  猫の姿は私の趣味ね」
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