11年前

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「ようきゃら?」  涼太くんはキョトンとした表情で言った。 「なんかこう、イケイケというか。クラスの人気者っぽいというか。女慣れしてるというか」 「そういうのをようきゃらって言うの?」 「う、うん。もしかして知らないの?」 「初めて聞いたよ」  それはすごく意外な発言だった。今時、陽キャラ陰キャラなんて同年代は誰でも使うのに。本当に浮世離れした人だ、涼太くんは。  しかもその後に続けられた言葉は、もっと意外なものだった。 「そのようきゃら?ってやつかどうかは分かんないな。女友達どころか、同年代の友達自体果南だけだし」 「ええ!? ウソでしょ!?」 「そんな悲しいウソ吐かないよ、わざわざ」  何も悲しくなさそうな穏やかな表情で彼は言った。  私はと言えば、私だけが特別かのような言葉に舞い上がる気持ちが半分。もう半分は、「友達」と言い切られたことに対する不満な気持ち。  後から考えれば、不満なんて抱いたこと自体が間違いだった。  自惚れ、強欲。そういう不埒な感情が生んだ不満。  そしてその後の発言を、私はこの先ずっと後悔することとなる。 「なら、さ。お昼にどっか遊びに行く? その、友達として」
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