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「ようきゃら?」
涼太くんはキョトンとした表情で言った。
「なんかこう、イケイケというか。クラスの人気者っぽいというか。女慣れしてるというか」
「そういうのをようきゃらって言うの?」
「う、うん。もしかして知らないの?」
「初めて聞いたよ」
それはすごく意外な発言だった。今時、陽キャラ陰キャラなんて同年代は誰でも使うのに。本当に浮世離れした人だ、涼太くんは。
しかもその後に続けられた言葉は、もっと意外なものだった。
「そのようきゃら?ってやつかどうかは分かんないな。女友達どころか、同年代の友達自体果南だけだし」
「ええ!? ウソでしょ!?」
「そんな悲しいウソ吐かないよ、わざわざ」
何も悲しくなさそうな穏やかな表情で彼は言った。
私はと言えば、私だけが特別かのような言葉に舞い上がる気持ちが半分。もう半分は、「友達」と言い切られたことに対する不満な気持ち。
後から考えれば、不満なんて抱いたこと自体が間違いだった。
自惚れ、強欲。そういう不埒な感情が生んだ不満。
そしてその後の発言を、私はこの先ずっと後悔することとなる。
「なら、さ。お昼にどっか遊びに行く? その、友達として」
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