ココのクッキー……しかし

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ココのクッキー……しかし

ココは黄金の砂時計を薔薇の猫脚テーブルに乗せた。 「これで準備完了、砂が全て落ち終わると時間が昨日に巻き戻るから~」 ココはいつも通りの朗らかな口調に戻っていた。 「さっきと話し方違うのは真面目な話の時は真面目でってことよね?」 「うんっ!」 ココは皿に乗ったクッキーを一枚頬張った。 黄金の砂時計と共にココが何処からともなく出したものである。 「すぐには戻せないのね?」 「焦っちゃ駄目だよ~じらすと昨日どころか時間枠が狂って変な時間に飛んじゃうんだ」 ココはレモンバームの紅茶を啜った。 急がば回れということらしい。 「ハルカも食べていいよ、ココの手作りで美味しいよ」 「あ、じゃあ一枚だけ」 「どうぞ~」 ココのクッキーを一枚手に取った。 手作りだが形は綺麗である。お茶も美味しかったので期待できる。 クッキーを一口噛んだ。 しかし…… 「っ!?」 甘い味とは程遠い、塩辛い味が口に広がる。 春佳は慌てて紅茶を飲む。 「どうしたの」 「こ……これ砂糖と塩間違えてない……?」 「え? そうかな、ココは全然平気だよ」 ココはしょっぱいクッキーを平然と噛んだ。 一枚だけでなく、二枚、三枚と立て続けに。 (この子……味覚音痴なんじゃ……) 春佳はココを見て思った。 「不味いクッキー出しちゃってごめんね、これからは気を付けるよ~」 ココは苦笑いを浮かべた。
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