幼馴染からカレカノになったはずなのに

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幼馴染からカレカノになったはずなのに

中2になった駿と瑠羽はまたクラスが同じで、高坂駿(こうさか しゅん)、広瀬瑠羽(こうせ るう)と名簿も続いてる。 小学校に入学してから中2の今も、ごく自然に、当たり前のようにいつもそばにいるふたりは、幼馴染。 ところが、ほんの数ヶ月前。 中1終わりのバレンタインデーにふたりの関係性は大きく動いたのだけど、あえてそこには触れないようにしてる、駿と瑠羽。 同じアパートの上の部屋と下の部屋に住み、お互い父親が留守がちで、支え合って暮らしているからには、なによりも一番大事にしなくてはならないのが、家族だと思ってるから。 とはいえ…長年の片思いが叶った瑠羽と、瑠羽への気持ちにはっきりと気づいた駿は、幼馴染とは違う色の、自分の中にある、このふわふわしたものをどうすればいいのかと、困ってるのも事実。 きっと、駿も瑠羽と同じように悩んでると思いながらも、瑠羽は駿に、なかなか相談できずにいた。 お互いを思いやる気持ちは悪いコトじゃないし、親に隠す必要はないけど、なんとなく気まずくて、今までみたいに、一緒にご飯とかしにくくなるよりはと、まだ、ふたりとも親に気づかれないように、これまでと変わらないように気をつけてる。 確かに気をつけてるけど、幼馴染からカレカノになったはずなのに、あまりにも変わらなさすぎじゃない?と瑠羽は思ってた。 GWは駿の部活でいつも通りの毎日だったし、6月の試験に向けて一緒に勉強はしたものの…やっぱり、バレンタイン前とあんまり変わらない。
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