瑠羽、思いがぐるぐる

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瑠羽、思いがぐるぐる

さっき、駿と一緒に買い物行って戻ってきて、またね、ってそれぞれの部屋にわかれた。 「はぁ、っ…」 ひとりになって、瑠羽はベッドに倒れ込む。 駿が朝練のない日は一緒に登校するし、放課後は部活と委員会でバラバラだけど、時間が合えば家まで一緒に帰る。 駿は相変わらず瑠羽の家に来ることが多くて、ライターのママがこもりがちなら駿がご飯を作ってくれたり、駿のママが夜勤なら、そのまま瑠羽の家で駿が寝起きしたり、というのも今までと同じ。 違うのは、駿に抱いてる瑠羽の気持ちがもう、片思いじゃない、っていうこと。 ベタベタしたいとか、そういうことじゃなくて…なにがしたいのかよくわからないけど、なんだか物足りなくて、少し寂しいな、と感じてる瑠羽。 だからといって、駿に、なにをどうして欲しいとも言えないのだけど。 「なんだろー…このモヤモヤ」 ベッドにつっぷした瑠羽のひとりごと。 駿と過ごす時間はじゅうぶんあるはずなのに、なにが不満なんだろう。 んー…不満とも少し違う気がするんだけど、この感情をどう表現したらいいのかわからない。 「はーっ…どんだけ考えてもわかんないや」 瑠羽がベッド仰向けになってぐーっと伸びをしたとき 「瑠羽、ちょ、いい?」 ノックとともに駿の声! え、駿、いつ戻ってきたの? びっくり! 「うん、どーぞ」 慌ててベッドに起きて、一応髪を整えてたら、駿が部屋に入ってきた。 「あ、ごめん、なんかしてた?」 「ううん、なにも。どうかした?」 「ん…いや、まぁ…」 駿にしては珍しく、歯切れが悪い。
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