駿の想い

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駿の想い

「どした?ママになんか言われた?」 ベッドから降りて、なぜだか正座してる駿の隣に座り、顔を覗き込む。 と、駿は少しだけ後ろにズレて 「そんなんじゃねぇけど」 やっぱり、歯切れが悪い。 「ちょっと待って」 普段は折りたたんでる丸いミニテーブルを広げて、駿の前に置く。 これでたぶんお互いに、距離が取れることで安心するはず。 「お茶、持ってこよっか?」 立ち上がると 「や、いいよ、すぐ済むから」 駿に手で制された。 「…そう?」 改めて駿の…少し離れたところに座る。 と言っても、すぐそこなんだけど。 「…あの、さ」 言いかけてから、言い淀む駿。 そんなに言いにくいことを話そうとしてるのかな。 まさか、もうあたしに飽きた…とか? いや、そこまで付き合うみたいなこと、なーんもしてないよね、だって、いままでと、ほとんど変わらない毎日だもん。 あ!だからヤなのかな、男の子だし、なんていうか、その…男女っぽいことしたいとか? …って思っちゃうあたし、下品?! 駿が口を閉ざしたままだから、いろんなことが頭の中を駆け巡る。 「やっぱさ、話した方がいいかな、って」 「…へっ?」 「隠しごとしてるみたいだろ、このまんまじゃ。どーも落ち着かねーし。瑠羽といて、なんも悪ぃことしてないのに、してんじゃねーかって気にもなっちゃうし」 駿てば、まだ正座のまま。 それくらい真剣に考えて、悩んでたんだろうな。 「隠しごと、してるといえばしてることになるもんね」 「だろ?それが落ち着かねーの、どーも定まんねーっつーか…」 座りながら、もじもじしてる。 「足しびれたなら、膝崩したら?」 「あー、うん」 膝を崩した駿は 「ふ、ぅ」 ため息をついて 「やっぱごめん」 その場にどさっと寝ころんだ。 「駿?」 びっくりして声を掛けると 「緊張しすぎただけ、つーか、考えすぎて疲れちった」 「それわかる、あたしも」 だからって、隣に寝ころぶのは違うな、と思って、あたしは同じとこに座ってた。
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