虎穴06 虎達の猛追

8/9
前へ
/83ページ
次へ
 彪仁の手が、唇が伊織の体に触れるたび、  ぞくぞくと甘美な刺激が皮膚を這い、身体をびくびくと震わせる。 「伊織、まだ何もしてないのに敏感だな」 「…っ、ごめんなさい。自分でも、コントロールが効きません」 「ん、大丈夫だ。伊織はただ感じてろ」 「……ぁ」  再び啄むようなキスが落ちる。  伊織は必死に受け止めた。 「伊織、とろとろ」 「ぅん…彪仁さんのキス、気持ちいい……」  彪仁は、伊織の体をゆっくりと暴いていく。  唇で鎖骨をなぞり、両の手は双丘を揉みしだく。  伊織の丘は、彪仁の掌からはみ出る大きさ。  その肉は、揉み心地のいい柔らかさで、  彪仁の指は、伊織の肌に吸い付き、同化したように離れない。 「……っん」  彪仁の手のひらが、双丘の突端を擦り、唇が皮膚を生き物のように這いまわるたびに、ビリビリとした甘美な刺激が迸る。  彪仁は、下へ下へと少しずつ降りていき、下腹部あたりを舌が這いまわる。  その刺激は、伊織の身体の中心へも痺れをもたらした。 「…っぁ、…ん」  もう、伊織の思考は真っ白で、何も考えられなくなった。  彪仁は、ようやく伊織の膝を割った。  するりと身体を滑り込ませ、再び伊織にキスを落とす。 「伊織、大丈夫か?」  遠くで聞こえる声に、こくこくと頷き、  伊織は、力が入らない身体に命令を出し、  自らの腕を彪仁に巻き付かせた。 「あやと、さ…ん」 「…伊織。可愛く強請ったな」  するすると秘所の割れ目をなぞると、花芽が咲く。  既に蜜に濡れたそこは、彪仁の指をつぷりと飲み込んだ。 「……っ」  伊織の眉間にきゅっと皺が寄る。 「伊織、指、痛くないか?」 「………ぅん、いたくない…です」  彪仁は、伊織のいいところを探す。  道を広げながら、ざらりとした場所を撫でたとき、 「ひゃぅっ」  伊織が腰を跳ね上げた。  巻きつけた腕に力が入り、彪仁の身体に思わず爪を立てそうになる。 「伊織、その蕩けた顔も可愛い…」  耳元で囁きながらも、彪仁の動く指は止まらない。  中の道を広げるようにくるりと回す。  もう一本指を増やし、バラけさせながら刺激すると、 「ぃゃあ…っ」  伊織は、腰を跳ね上げながら達した。  体を震わせ、きゅっと彪仁の指を締め上げる。  その反応が可愛くて、伊織の体を抱きしめた。 「伊織、上手にイッたな」 「……」  伊織は、蕩けてしまって言葉が出ない。  出ないので、彪仁に腕を伸ばし、そっと彪仁の頬を包み込んだ。 「伊織」  伊織のどストライクの好みの顔が、柔らかく目を細めてくる。  ポロリと生理的な涙が零れる。  彪仁は、そっとその滴を指で拭った。 「伊織、大事に抱く」  彪仁は、耳元で甘く囁いた。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2046人が本棚に入れています
本棚に追加