貴方はずるい

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「からかわないでください!それに、私のことを襲いたい人なんていません!」 「ここにいるけど」 成紀さんが私のシートベルトを外す。 「あんまり男の前で無防備に寝たら駄目だよ?」 私は顔が真っ赤になるのを感じながら頷いた。 「まぁ俺の前ではどれだけ無防備でもいいけど。婚約者だからね」 そう言って、成紀さんは車を降りて、助手席側のドアを開けた。 「さ、家に着いたよ。お姫様?」 成紀さんが私に手を差し出す。 私は成紀さんの手をそっと掴んで、車を降りた。 「なんか、成紀さんといると、本当に自分がお姫様なんじゃないかと錯覚してしまいます・・・」 「そんな可愛いこと言わないで。本当に我慢できなくなる」 成紀さんはそう言って、私の頬にキスをした。 「っ!」 「でも、今日はここまでにしておくよ。冬奈の可愛い顔が見られたからね」 成紀さんは私の頭をポンポンと叩き、車に乗った。
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