それぞれの思い

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「僕の剣捌きを見たまえ!!」 ノフィンは降りかかってくるナイフの群れを見事な剣捌きで次々と斬り伏せた。 ナイフはカランカランと床に崩れる。 「楽しいわぁおじさんみたいに楽しませてくれる人はミールのおばさんくらいでしたもの♪」 「気に入ってくれて嬉しいよ。紳士の嗜みとしてもっと楽しませてあげよう!」 ノフィンは更に細身の剣を器用に振るう。 そしてそしてカースとチイチイが激戦を繰り広げる。 いっぽうフットはチイチイから「邪魔や!」と門前払いされる。 「俺、チーフの所にいた方が良かったんじゃないか?」と若干不貞腐れる。 「ゾンビハント!阿修羅拳!!」 カースは無数の腕を出現させてチイチイを襲う。 チイチイは次々と避ける。 そしてそして僅かな隙を突いてチイチイは強烈な掌底をカースにお見舞いした。 「浪速烈波!!」 ドゴンッ!! カースは足でなんとかぶっ飛びそうになるのを持ち直すがダメージは強烈で脇腹を摩って苦しい表情を見せる。 「ぐふ…っ小さな体に凄まじい戦闘能力…そしてそしてみなぎる魂…これが我の求めていた逸材だ。面白くなって来た!」 「おおきに。ウチの生まれ故郷大阪はお笑いと人情の街や。ほならウチも浪速っ娘として本場大阪の人情の示しにもっと(たの)しませたるわ!」 チイチイは浪速の闘気を更に放出させる。 しかし面白いと言いながらカースマルツは心の中で思う。 (とんでもない奴相手にしてる気がする…)と。
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