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「ハッ!」ノフィンの鋭い細身の剣が貫く。
「キャア!」
マルツのナイフが弾かれ彼女は尻餅をつく。
ノフィンは剣をブンブンと一芸を魅せるように振った後剣を鞘に収めた。
「勝負ありだね」
「うっく……」
マルツは悔しそうにする。
いっぽうカースもチイチイの矢継ぎ早の攻撃に手も足も出せなくノックアウト。
「くぁっ!!」
カースもまた尻餅をつく。
「山本家を舐めたらあかんでぇ?」
とチイチイは言う。
「さてと、君達のような可愛い女の子にこんな事をするのは気が引けるが…君達はミール君と娘を痛ぶりつくした。だからだから、少々ダーティな対応をさせて貰おうかな」
ノフィンは拳を鳴らす。
(怒っとる、そんなノフィン初めて見たわ、後々その方がかっこいい)とチイチイは内心で思った。
「さあ覚悟は良いかい?」
ノフィンは拳を振り上げようとする。
その直後マルツが「うえーんうえーん」と泣き出した。
拳を止めてしまうノフィン。そして表情が少し間抜けになりマルツを慰める。
「ご、ごめん君達を傷つける気持ちは無かったんだ、それは言葉のアヤで…」
戸惑いながら言い訳するノフィン。
「私達は好きでこんな事してるわけじゃないんです…私は元は良い子だったんです…」
「わかってるよ、わかってるとも…」
ノフィンは幼児を慰める保父さんのような対応をする。
白馬の騎士は女の涙には弱い。
いくら悪逆非道な女でも泣けば騎士として自然と優しくしなければと思ってしまう。
それは大きな欠陥でもあった。
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