雛のままではいられない※

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雛のままではいられない※

 思わず息を止めてしまう。最初は違和感しか無かったあそこが、段々そればかりじゃなくなるのが自分でも感じる。隼人さんの香水の匂いがするベッドシーツに顔を押し付けて、僕は膝を震わせていた。 こんなあられも無いお尻を突き出した格好も恥ずかしいけど、部屋に響くヌチヌチというジェルの音も興奮を高めるのだと知ってしまった。 隼人さんが僕の中にグッと指を突き挿れて、僕に覆いかぶさって来た。低いのに甘く感じる声が耳元をくすぐる。  「ほら、もう指の付け根まで挿れたよ。どう?まだ違和感ある?」 僕は指が動かない事に少しホッとして、顔を隼人さんに向けて答えた。 「…ちょっとだけ。でもなんか変な感じするかも。」 すると隼人さんは僕の耳たぶを甘噛みすると中に入った指をグリっと動かした。さっきも時々感じた鋭い感覚が、僕を慌てさせた。 「んっ!あ、なんか、それダメ…!」 けれど、僕の懇願は隼人さんは聞く気がないみたいで、僕は只々その指のもたらす何とも言えない感覚に翻弄されていた。けれど僕は自分の唇から漏れる声が酷く甘く聞こえた。ああ、これって気持ちいい…?  自覚してしまうと、その感覚は疼く様な気持ち良さに感じられて、僕は一気に抵抗していた身体の力を抜いた。それが分かったのか、隼人さんはもう一度兆し始めた僕の昂りを一緒に弄り出して、僕に熱い息を吐き出させた。 時々腿に当たる隼人さん自身が興奮しているのを自覚すると、僕は思わず振り返って気づいた隼人さんと目を合わせた。 「…僕も、触る…?」 途端に隼人さんの指が僕を抉って、僕は思わず仰け反ってしまった。  「随分余裕あるみたいだな、洸太は。だったら、俺も遠慮は要らないのかな?」 そんな物騒な言葉を耳元で囁かれて、そこから僕は無我夢中でベッドのシーツを握りしめる羽目になった。痛い様な、苦しい様な、でも確実に手が届きそうな快感を目の前にぶら下げられて、僕は荒い息を吐き出した。 そしてとうとう、僕はその快感をもぎ取った。脳天に突き刺さる様な経験のないその気持ち良さは僕を駄目にした。ぐったりとベッドに突っ伏して、震える身体を自覚しながら、ぼんやりした僕の頬に感じる優しい唇に何だか嬉しさとくすぐったさを感じた。  こんな風にされるのは甘やかしなんだろうか。大の大人の男なのに、甘やかされる事が酷く嬉しい。…もっと甘やかされたいと思うのは、変だろうか。 そんな事を思っていると、隣にドサリと沈み込んで来たのは隼人さんだった。僕の身体を転がすと、はめられたゴムをそっと抜き取ってくれた。一体いつ装着されたのかも僕には分からなかった。 「洸太は素質あるね。凄い感じてただろ?やっぱり誰でもこれでいけるとかないからさ。素質みたいのはあるんだよ。それとも洸太は挿れたいとかある?」  そう隼人さんに後ろから抱き込まれながら問われて、僕は直ぐに首を振った。 「ないです。僕はもっと甘やかされたいって、さっき思っちゃったから。そっちじゃないんだと思います。」 すると僕の首筋に唇を押し当てた隼人さんが、少し掠れた声で僕に言った。 「そっか。俺は甘やかしてぐずぐずにしたい方だから、洸太と相性は良いのかもな。…もう少し付き合ってくれるか?今日は挿れないから、素股だけ…。」 そう言われて僕はパッと振り返って言った。  「あ、あの!僕、隼人さんのそれ、口でしてみたい‥です。」 すると隼人さんは僕をじっと見つめて言った。 「…いいのか?別に俺は構わないけど。無理しなくていいんだぞ?」 僕はそっと隼人さんのビクビクするそれを指先で撫で回しながら、隼人の唇を舌先でなぞりながら呟いた。 「…舐めさせてください。」  本物の他人の昂りは、想像していたものとはまるで違った。硬いのに柔らかで、その矛盾した感じが口の中で感じると妙に愛しかった。むせかえる様ないやらしい匂いと濡れて来るその雫の味わい、自分のものよりひと回りも大きくて、強そうな造形をしている。 一生懸命舐めていると時々吸ってとか、そのまま動かしてとか隼人さんに指示されて、僕はひとしきり指導された。時々呻く隼人さんの色っぽい声に励まされて、僕は口の中が痺れるくらい夢中になった。  ふいに止められて、僕が名残惜しげに顔を上げると、隼人さんはギラついた顔で黙って僕を四つん這いにした。そして腿を合わせる様に指示されると、ジェルを塗りつけた隼人さんのものがぐりぐりと僕の脚の間を出入りした。 僕自身にも触れるそれに擦り付けられて、僕はそのまるで本番の様な動きと、這い上がってくる気持ち良さにガクガクと為されるがままだった。隼人さんに腰を掴まれて、裸の身体を打ち付けるその音にも興奮して、僕はグンと大きくなった隼人さんに追い立てられてあっという間に逝ってしまった。  ビュクビュクと震える隼人さんのそれから飛び出したものが僕の身体や顎を濡らして、僕は妙な気持ちになった。それは汚されて嬉しい様な、何と表現して良いか分からない感情だったけど、幸せな気持ちだったのは確かだ。
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