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それを試練というのだが、ガッツーゾがそれを分かっていたかどうかは定かでない。もしそれに気づいていたのなら、より容易に壁を乗り越えることができた。だがそうでない場合、あらゆる困難が分け隔てなく降り注ぐ。そしてその意味が分からないため混乱し、ガッツーゾは不安や恐怖に駆られるかもしれない。どちらにしても、それらを乗り越えないことには、前進でない。もし小さなチームでうまくいけば、より大きなチームでも戦える。ガッツーゾもそのことだけは分かっていた。そして下手して、このチームでうまくいかないのなら、もう一人でやっていくしかない。またはこの地を去って、故郷に戻らないといけない。それらくらいの覚悟がガッツーゾにはあった。ただ戻る場所があるだけ、彼の場合は恵まれていたのかもしれない。そうでない奴らもいっぱいいる。そうなると、より一層追い込まれることになる。試練というのは、その相手にあったやり方で押し寄せてくるものなのだ。追い込まれたほうがいい場合もある。
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