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「どうするんだ。」ガッツーゾが聞いた。 「まずは様子を伺いましょう。」アリンコのジョリーが言う。 「そういうことです。」キリギリスのヴォイスが答える。 「そういうことって、どういうこと?」ハリトカゲのハリィが尋ねる。 「相手をよく見るってこった。」相変わらずタバコを吹かしているハツカネズミのビリー。 「とにかく進もうぜ。」ガッツーゾが言うと、みんなはうなずいた。さすがに緊張していた。サソリのガッツーゾは狩りに優れていたし、経験も他の者よりはあった。でもラクダはあまりに大きいので、一人で仕留めるのは不可能に近い。なぜこんなターゲットを選んだのか、自分でも今さらながらガッツーゾは頭が痛くなった。 「ラクダにも弱点はあります。」ジョリーが解説する。 「そうそう。」気楽にヴォイスが相槌をうつ。 「どんな弱点なのさ。」ハリィが聞いた。 「元々強い相手でもないけどな。」ビリーだけは余裕をかましている。 「一人で行けばどうだ。」それに対して、ついガッツーゾがカッとした。
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