13

3/6
前へ
/78ページ
次へ
「ちがうよ、明かりがつくとラクダが起きるから。」ハリィが言った。 「これくらいでラクダが起きるかよ。」ビリーは煙を吐いた。 「でも。」ハリィが心配するように、タバコの匂いがあたりに漂った。 「バカか。」とビリーは言うものの、その煙はラクダの方に流れていく。ラクダは深い眠りについていたが、匂いには敏感だった。ラクダの目は悪いし、耳も大してよくない。だけど匂いにだけにはとても鋭かった。ラクダの見ていた夢は、このようなものだった。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加