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ハロー・シルク!
それは、あたしが小学生の時の話。
自慢じゃないが、あたしは生まれてくる性別を間違えたんじゃねえの?と思うくらい悪ガキだった。自分でもそう思うくらいに。
屋根に上るなと言われたら上るし、悪戯するなと言われたらする。学校に悪ガキ仲間が何人もいて、そいつらのリーダー格のような存在になっていたんだ。
もっと言うと小学四年生としては相当体が大きくて力もあって、運動神経も良かったもんだから先生が“やらないで欲しい”と思うことの大半はできてしまったというのもあるんだけども。
だからそんなあたしが、夜の学校に忍び込む、なんてくらいのことをするのは珍しいことでもなんでもないというか。むしろ、よくぞ今までやらなかったな?と驚かれるレベルのことだと思うのである。
ちなみに忍び込んだ理由は、夏休みだったから。友達との肝試しを企画するにあたり、学校の下見をしようと思ったからである。
ところが、あたしはその夜、校舎には入らずに終わるのだ。校庭にあるジャングルジムのてっぺんに、先客がいることに気付いたもんだから。
「おい、お前!何してるんだ、こんなところで。真夜中だぞ」
「!!」
月明かりの下。その子はジャングルジムのてっぺんに座って空を見ていた。あたしの声にびっくりして、ずり落ちそうになってたけど。
不思議な子だった。だって、髪の毛も肌も服も全部真っ白なんだから。そしてただ、蒼い目だけが、爛々と光っているように見えたのだ。
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