和江

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和江

 早朝 6時 渡部はベッドから 抜け出し部屋を 見回した   (・・・何時?・・まだ早いよ・・・) パソコンを起動させ台所に立ち お湯を沸かし コーヒーを淹れ 飲みながら パソコンの前に座り  ニュース経済情報を チェックし始めた (・・・何 やってんの俺?・・・・) TVを点けると 高速でトラックが 運転を誤り 横を走っていた 白い車にぶつかり はずみで橋を 突き破り 30メーター下へ転落して 中に乗っていた 3人の現場作業員が 死んだと報じていた 次のニュースです 二階・・・ 渡部はTVのスイッチを切った 何時もなら 8時直前に 飛び起きて  顔を洗い飛び出す 生活が当たり前だった 朝 ニュースを見るにしても スポーツか芸能ニュースが 普通で  経済情報等、見る事など無い毎日だった 次に部屋の掃除を始めた (・・・・????・・・・) 雑誌 ゴミ ペットボトル 空き缶に分けて 袋に詰め ゴミ捨て場に運ぶ (・・???・・??・・・) (・・何捨ててるの?・・それ・・お気に入りのAV・・) 何度か 往復していると 隣家の夫婦が降りてくるのと すれ違った 「おはようございます」  双方が挨拶し 自分の部屋の 最後のゴミを 持ってゴミ捨て場に向かう時 隣家の主婦と階段で向き合った 「おはようございます 渡部さん早いですね」 「 昨日は 大丈夫でした? 凄い大きな音したから」 「びっくりして 廊下に出てしまったわ そうしたら   入口の処で 車 あんなになっているんですもの」 「ええ 車はダメに成りましたけど お互い 怪我もなかったので  良かったです ご夫婦 仲良いですね」 「主人 今日から 一週間 和歌山で研修なの 何か山の中とか」 「大変ですね」 「渡部さん ゴミ出してたけど 掃除?」   「ええ 部屋が汚れてたので 少し片付けました」 (・・・何で 俺 大事な物捨てるんだ・・ああAVが・・・) 「失礼します」  最後のゴミを出し 部屋の中が すっきりとなった
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