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明らかになにかを隠したい様子だ。
「もしかして私の悪口でも言ってた?」
「なに言ってるの?」
詩子は驚いた顔をしているけれど、私は騙されない。
詩子は最近私と距離を置いているし、今朝だってゲームが成功したのに喜んでくれなかった。
怪しいと思うのは当然のことだった。
「私のこと冷たい人間だと思ってるんでしょ」
「雛、なにを言ってるのかわからないよ」
「バカにしないでよ!」
怒鳴り声を上げて近くの机を蹴り飛ばす。
詩子は怯んで更に後ずさりをした。
だけどその後ろは壁になっている。
もう、逃げられない。
「どうせ心の中ではいつも私のことをバカにしてたんでしょ。ゲームにハマって抜け出せないって!」
「そんなことない! 確かに最近の雛はひどいと思ってたけど、でも友だちだと思ってるよ」
「嘘つき! 私の陰口叩いてたくせに!」
「さっきからなんのことを言ってるの? 雛、ちょっとおかしいよ」
「おかしい? 私が? 詩子のほうがずっとおかしいよ! あのゲームをやる気まんまんだったのは詩子の方なのに! なのに途中から自分だけ抜けてさ!」
「それは、そうだけど……」
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