100万ポイントの行方

8/11
前へ
/214ページ
次へ
「思えば最初からそうだったよね。詩子はそこまで手を汚さずに私ばっかり行動して、それで私のポイントで豪遊してた!」 詩子の表情が変わる。 今のは詩子が一番気にしていたことだ。 だけど、私はもう止まらなかった。 「それなのに自分が嫌になったらやめるってなに? 信じられないんだけど!」 「ごめん雛。でも、もう私には無理」 「無理ってなに!? それでなにもなもチャラになるとでも思ってる? 私がどれだけのことをしてきたと思ってるの!?」 ヒートアップして、止まらない。 クラスメートたちが見ているのに、止まれない。 詩子が目の前で泣き始めた。 肩を震わせるその姿にクラスメートの同情が向かうのがわかる。 なんで? なんで詩子が可愛そうな立場にいるの? 「雛ごめん。もう私は雛の友だちではいられない」 詩子は震える声でそう言うと、教室から飛び出していったのだった。 ☆☆☆ どこかでスマホが震える音がした。 ふりむくと玲香が立っている。 玲香は相変わらず粘ついた笑みを浮かべて、そして持っていたスマホ画面を見せてきた。 『絶交成功』 は……?
/214ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加