100万ポイントの行方

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「雛と詩子はもともとそんなに仲が良くなかったから、1000ポイントにしかならなかったよ」 「それ……なんで……」 聞こうと思ったとき、私のスカートの中でもスマホが震えた。 すぐに取り出して確認すると『100万ポイントは失効されました。ゲームは強制的に終了します』と、書かれている。 は? なんだこれ? なんのことだ? 慌てて画面をスクロールしていく。 なんのことだかさっぱりわからない。 「焦ってるね。注意事項をちゃんと読んでなかった?」 玲香の言葉にサッと青ざめる。 ゲームの注意事項? そんなの簡単に読み飛ばすもののはずだ。 私は画面を注意事項へと切り返る。 ダラダラと書かれた長文の一番下。 真っ赤な文字で書かれたそれに目が奪われる。 『最初に登録されたプレイヤーとその友人の関係が壊れた場合、今までのポイントはすべて失効し、ゲームは強制的に終了します。すでに使われてしまったポイントに関しては免除いたします』 なんだこれ。 どういうことだ? 手が震える。 何度説明文を読んでみても頭に入ってこない。 理解しているのに、拒絶している。 こんなはずない。
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