新、呑兵衛・夏凛と缶助の酔いどれ探偵捕物控 陸

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警察と救急が到着した。 剣持孝信は警察に監禁暴行障害で逮捕され また刑務所に逆戻りとなる。 缶助、長谷川さんの治療中に木戸刑事から 電話が来て調書内容を教えてくれた。 取り調べによると、やはり兄孝彦の仇を討とうと、色々調べて「NPD」の缶助にたどり 着いたらしい、そして嘘の依頼で缶助を誘い 例の場所で拉致監禁して散々缶助をいたぶり、 缶助は骨折とまでは行かなくても、 肋骨4本にヒビ、 左腕の骨にもヒビ、顔の頬骨にもヒビが入って 打撲裂傷、からだじゅうにアザで 包帯だらけの身体になってしまった。 長谷川さんのピストルによる傷は骨には異常 なく、弾丸は腕から抜けていたため手術には ならないで治療のみで済んだらしい。  缶助が拐われてから正味2日のスピード解決! 何と言って早く解決したのが本当によかった 後1日でも遅くなっていたら缶助が危険だった。 下手をすれば命に関わる事になっていたかも 知れない。 長谷川さんは、腕を首から吊るされて 全治ニ週間、缶助は全身包帯だらけで全治 二ヶ月、病院では入院した方が良いと 言っていたが缶助は入院はしない、 家で療養すると言い出して医者を困らせていた。 取り敢えず歩く事は出来たのだが 怪我の中でも肋骨のヒビが厄介で少しでも 身体に力が入ると激痛に襲われるようで くしゃみなどしたものなら涙を流すほど 痛がっていた。 トイレで大きい方をする時などは 死ぬ思いをするほど痛むらしいのだが、 この痛みは入院していても家で療養しても 同じ事と言い張りあくまでも入院は しないと言い切っている。 医者も根負けしたらしく 「家で療養」の許可を出した。 缶助の治療と長谷川さんの治療をしている間 車に残したりんの事も心配で私は院内と車を 行ったり来たりしていた。 医者に自宅療養の許可をもらい事務所に帰ると すでに夜の10:00を過ぎていた。 長谷川さんは、私達に気を使ってタクシーで 帰ると言って自分でタクシーを呼んで 帰って行った。 本当に長谷川さんには悪いことをしてしまった 缶助を車の助手席に座らせるのも一苦労。 一旦ルーフをオープンにして身体を屈めなくても 座れるようにしてから車に乗り込ませた。 ボランテを私が運転して事務所へ戻り 缶助に肩を貸しながら2階の部屋まで行く 着替えを済ませベッドに寝かせ本日の仕事、 全て終了した。 遅い夕飯を作り缶助とりんに食べさせた 胸にはコルセットをつけているがベッドの上で 起き上がり座るのも一苦労。 私が作った夕飯も綺麗に食べてくれて 一安心、りんも完食していた。 時刻も24:00近くになってしまったが 母さんにだけは連絡した。 「母さん?心配かけてごめんね」 「缶助君は無事に見つかったのね?」 「全治2ヶ月の怪我を負ってしまったけど 何とか助け出せたわ」 「そう、やっと安心したわ、父や母からも 何度も電話があってね、夏凛から連絡が来たら 遅くなっても良いから連絡が欲しいと言っていたから電話してあげて、あした缶助君の顔を 見に行くわ、お父さんもお爺様、お婆様も 一緒にね」 「え〜っ!父さんもお爺様も知ってるの!?」 「こんな事黙っていられるわけないでしょ これからすぐに加瀬のお爺様に電話してあげてね 待っていると思うから」 「分かりました、すぐ電話するね」 一旦母との電話を切りお爺様に電話をした。 呼び出し音が鳴ったと同時にお爺様がでた、
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