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「すみません、夏凛さん。ベッドから起きようとしたら、胸の痛みでバランスを崩して落ちてしまいました、その時また胸のところを打ってしまい
このザマです、すみません、心配ばかりかけてしまって」
「何で起きようとしたんだ」
そう聞くと、
「夏凛さんと副所長のご飯を作ろうと思って」
「バカ!!そんな事私がやるから缶助は大人しく
寝てればいいんだ!いうこと聞かないと
病院に送り返すぞ!」
「すみません、それだけは勘弁してください」
「嫌なら大人しく寝ていろ!わかったな!」
「はい、分かりました」
ゆっくりと起き上がりベッドに戻る缶助
全く、いつも自分のことより人の事を
考えるやつなんだから.........
「おとなしく寝ていろよ!
りんちゃん、缶助を監視していてね、
私は朝食を作って来るから、少し待っててね」
缶助にはお粥、私はトーストにスクランブルエッグ、りんには特製ボーイご飯、それぞれに作り
持って行く。まずは一番元気なりんちゃんから
お気に入りのボーイご飯をあげる、相変わらず
すごい勢いで食べている、よっぽど気に入ったのだろう、ボーイ君に感謝。
次に缶助。お粥の入った茶碗からスプーンで
掬って「あ〜ん」と言って口元に運ぶ。
少し照れながら口を開ける缶助。
お粥を美味しそうに食べてくれた。
「美味しい?」
と聞くと
「とても美味しいです」
嬉しそうな顔が返って来た、私も一口食べてみた
うん、我ながら美味しく出来たぞと思いながら
缶助にまた食べさせる。美味しそうに完食してくれた。最後に自分のトーストを食べ
朝食タイムは終わり。
食器の片付けをしている時に事務所の前に
パトカーが止まった。中から木戸刑事が
降りて来るのが事務所のウインドウから見えた。
玄関に出迎えに行く、扉を開けて待っていると
木戸刑事が来た。
「夏凛さん、おはようございます。
朝早くすみません、缶助さんに事情をお聞き
したくて押しかけてしまいました。
病院に行ったところ自宅療養していると
伺ったもので、これからお話を聞いても
よろしいですか?」
「はい、大丈夫です、今少し前に朝食も食べ終えましたから、本人気持ち的には元気ですから
身体はボロボロですけどね」
「手短に済ませますので、失礼します」
缶助の部屋に木戸刑事を連れて行く。
「缶助、木戸刑事が話を聞きたいんだってさ
協力してあげてくれるかな」
「おはようございます、お加減は如何ですか?」
「木戸さん!どうも色々お世話になりました
身体中痛いのを除けば元気ですから、
何でも聞いてください」
「ありがとうございます、横になったままで
いいですから。それでは早速お伺いします、
まずは事件当日の事を
お聞きしますが、缶助さんはどうして
あの現場に行ったのですか?」
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