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缶助の傷の具合は思っていたより
回復が早かった。二ヶ月の療養を医者から
言われていたが、一ヶ月半ほどでギブスも取れ
アザも消え元の缶助に戻った。
NPDの事務所もお爺様に返し私と缶助は
実家に入った。しかし部屋は別々、りんは私の部屋。
結婚式の日取りも決まり準備万端。
報道陣まで駆けつけて来た。
『呑辺財閥のご令嬢御結婚』相手は
一般の男性
と新聞、テレビ、雑誌、などで大々的に
取り上げられた。
そして、結婚式前日、缶助の両親、姉、親戚一同が式場ホテルに到着した。
缶助が前もってこれからの自分の仕事を説明していたが、ご両親、友香さん共に心配していた。
今までの探偵業より危険な事はないのかとか
それに対して缶助のもこれからは大切な人を守る為に自分の事も大切にして行くからと
両親達に言っていた。
そして結婚式当日、テレビ局などのカメラも入り
雑誌記者なども来て全国ネットで放映された。
缶助の親族、呑辺家の親族各界の著名人有名人
総勢1000名に近い方達が祝ってくれた。
結婚するに当たって父さんが嬉しい事を
やってくれて、
缶助が所属する事になった
近藤隊長率いる呑辺SPを正式な呑辺財閥の部署として依頼が有ればいつでも誰の護衛でも
引き受けられる独立採算性の部署にしてくれたのだった。(まあこれはこれで稼がなくてはいけなくなり大変なのだが......)
しかし、今まで通り呑辺財閥のSPには
変わりはないと父さんが言ってくれたので
少しはホットした。
結婚式も無事に終わり、だが予定してた新婚旅行を缶助が突然キャンセルしてしまった。
「僕には勉強する事がたくさんあります、だから
今は我慢して、時期が来たら、僕が一人前になった時に好きな所に連れて行ってあげますからそれまで待っていて下さい、お願いします夏凛さん」
「楽しみにしていたのに〜〜!!」
と少しだけ怒って見たもののこれからの
缶助を楽しみにしながら待つ事にした。
披露宴パーティーが終わったのは
夜の8時を過ぎた頃だった。
式の時も披露宴パーティーの時も
りんちゃんにも着物やドレスを着せて私の隣に
いてもらった。周りをキョロキョロしていたが
終始りんはおとなしくしていてくれた。
披露宴パーティーの時は、
私と缶助の間にりん用の席を作ってもらい
りんをそこに座らせた。
椅子の上におとなしくお座りしていて
この子本当に犬なのかしらと思ってしまうほど
堂々と椅子に座り続けてくれた。
本当なら、犬など会場には入れないのだが
この子は私達の愛のキューピットという事にして
何とかお願いして了承してもらった。だが、
ドレスや着物を着せ毛などが飛び散らない様
配慮、騒ぎ出したらすぐに連れ出すと言う事を
約束して何とか例外的に許して貰った。
全てが終わり、ホテルの部屋に入る。
流石に母が気を利かせりんを連れて行った。
「か、夏凛さん、今日は、と、とっても
いつもの数倍も綺麗でした.........」
「そう、ありがと、缶ちゃんだってカッコよかったよ」
他愛の無い会話をするが、すぐ沈黙の時間が
来る。
「缶ちゃん、シャワーでも浴びて来たら?
サッパリするよ」
「そうですね、それじゃお先に失礼します」
缶助がシャワーを浴びに行く。
そのあとは、私?
それから、そのあとは............?
今はりんもいないし誰も邪魔する者はいない...
いきなりこの間の夢のことを思い出してしまった
顔が赤くなるのがわかった。
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