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色々考えていたら、シャワー室に入った時と同じ服を着て、缶助が出て来た。
思わず、吹き出してしまった。
私は自分が心配していた事が何だかおかしくなってしまった。
「着替えを持っていくのを忘れちゃって......
夏凛さんお次どうぞ」
「うん、それじゃ今度私ね」
と言いながらシャワー室に向かった。
同じ服を着て出て来た缶助を見て
何だか私の心は落ち着いた。
シャワーを浴びサッパリしてショーツだけ履いて
上はノーブラでスエットを着る。
さっきまで落ち着いていたのに急に
ドキドキして来た。
思い切ってシャワー室をでる。
缶助もスエットに着替えていた。
テレビを見ていた缶助が
「夏凛さん!今日の結婚式のことやってますよ」
そう言われて
「えっ!どれどれ!!」
と言いながら缶助の横に座る。
「夏凛さん、綺麗だなあ、こんな人を
お嫁さんにもらいたいです僕」
と言った.........
「えっ?何言ってんだ?缶助?
今日式あげたの私達だよね」
「あっ!!そうでした!!僕達夫婦に
なったんですよね」
私の緊張がまた緩んだ、思わず笑ってしまう。
「そうでした、夏凛さんは今日から僕の妻
なんですよね」
「そうだよ!私は缶助のものだよ」
そう言った拍子にまた緊張感が襲って来た。
缶助が急に無口になった。
肩をそっと抱かれた.........
そのまま二人流れに身を任せた。
初めて同士の二人、その夜ひとつになった。
*************************
ホテルには一泊して実家に帰った。
実家に帰ると缶助の親戚一同、実家の親戚一同で
お祭り騒ぎをしていた。
「お〜〜っ!!新婚さんが帰って来たぞ
皆さん!!もう一度盛大な拍手をお願いします」
お爺様が酔っ払った勢いで大きな声を上げた。
「お爺様ったら.........」
「缶助君!!こっちに来て呑みなさい!!
またワシと勝負だ!」
終始賑やかな2回目の披露宴だった。
私は缶助のお義母さん、友香さんと静かに呑んでいた。
「夏凛さん、缶助の事よろしくお願いします」
「そんな、私は缶ちゃんについて行くだけです
だって、缶ちゃんとても頼りになるんですよ」
「あらあら、ごちそうさまです」
友香さんが、揶揄うように言った。
「そう言う友香さんも早く良い人見つけてね」
「夏凛さん、実はもういるんですよ友香には」
「そうなんだ!!おめでと友香さん」
「ありがとう、これも夏凛さんのお陰です」
友香さんも来年には結婚する予定で
旦那さんが関谷の名を継いでくれる事に
なったらしい。
どちらの家も無事に後継もでき万々歳だ。
缶助の両親親戚一同実家にもう一泊して
翌日新潟に帰って行った。
缶助はその日から早速近藤隊長に弟子入りして
稽古に励んでいた。
*************************
「呑兵衛・夏凛と缶助の酔いどれ探偵捕物控」陸
シリーズはこれにて終了で御座います。
今までお読み頂きありがとう御座いました。
しかし缶助、夏凛、白柴りんの活躍はまだまだ
続きます。
次回からは
『SP缶助&白柴りんの出動日記』
をお送り致します。
またね〜〜(^^)/~~~
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