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すぐに、加瀬のお爺様に電話した。
「もしもし、お爺様?夏凛です、
チョットお爺様にお願いがあって電話しました」
「お〜っ!夏凛ちゃんか、何かな?
お願いって」
「あの、◯◯区の高城町内の不動産屋さんで
チョット調べたい事があるの、ある人物の
事を知りたいんだけど協力してもらえるように
頼んで欲しいの、お願い!お爺様!」
「そうか、あの辺りの不動産屋のオーナーは
知り合いだから頼んでやろう。
夏凛、お前のお母さんから話は聞いてるよ
決して無理をするんじゃないぞ、
警察には知らせてあるのか?」
「母さんから?
警察にはまだだけど、これから調べる人物が特定できたら知り合いの刑事さんに知らせるわ、
大丈夫無理はしないから」
「充分注意するんだぞ、困った事があったら
いつでもじいちゃんに言っておいで
わかったね」
「ありがとう、お爺様!それじゃ不動産屋の
オーナーさんにはお願いね、すぐに
調べたいから」
「すぐに連絡しておくよ、何度も言うけど
決して無理するんじゃないぞ」
「うん、わかってる!大丈夫よ」
「母さん、お爺様に言ってたのか、
こうなる事わかってたのかしら?...まあ良いや、
よし、すぐに行動開始!りんちゃん、行くわよ」
りんを乗せて高城町の不動産屋に向かった。
ナビによると高城町には4件ほどの不動産屋が
あった。もしもこの4件のうちにいなければ
少し範囲を広げて探すしかない。
刑務所から出て来てすぐに部屋を借りられる
はずはないからもしかしたらタチバナ組で
寮として借りているという事も考えられる
それも視野に入れて行動開始!
一件目、二件目、三件目もノーヒット。
一応最後の四件目。
「すみません、私こういう者ですが」
と言って名刺を差し出した。
「あっ!呑辺お嬢様!オーナーから
話を聞いております。それで何をお調べに
なっておられるのですか?」
「はい、人探しをしていまして、その人の勤め先が「タチバナ組」でして名前が『倉持義信』
と言います」
「タチバナ組の倉持さん、住んでいる人の名前は
分かりませんがタチバナ組さん名義で
借りられている物件はございますが」
「タチバナ組さんで借りている物件が
あるんですか?」
「はい、古いアパートなんですけど、
8部屋ありまして全てタチバナ組さん名義で
借りておられます」
「そうですか!そこの住所は?教えて下さい!」
剣持の居場所がわかった、すぐその住所に
向かう。
そこに着くと、昭和初期のアパートのような
古い物件だった。
風呂無し共同トイレで8部屋、
平屋で中央に通路があり通路を挟んで
両側に部屋が四つずつある、
一部屋ずつ調べていく。缶助がどこかの部屋に
いてくれたら助かるのだが.........
全ての部屋に突撃したいところだが
女ひとりの私では少し危険を感じる
缶助がいるかどうかをりんに探って
もらうことにした。
「りんちゃん、缶助を探して」と言って
りんと一緒にアパート内に入る。
鼻を擦りつけるようにしてりんが奥に進んでいく
しかし缶助の匂いは無いようで
廊下でりんはウロウロしていた。
缶助がいないとわかればここに長居は無用
外で張り込みするしか無い。
剣持が戻ってくるまで.........。
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