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その時、男の後ろから
「ワン、ワン、ワン」と犬が吠えながら
男に飛びかかっていき、
拳銃を持っていた腕に噛みついていた。
お嬢様の犬だった、俺もすかさず
男の持っていた拳銃を取り上げ肘打ちを顔面に
入れ、そして間髪入れず水月に膝蹴りを
くれてやった。
男はもんどり打って倒れる、そこにお嬢様が
入って来た。
「長谷川さん!大丈夫ですか!!いやだ!!
血が出てるじゃないの」
「お嬢様!僕は大丈夫です!奥に缶助さんが
椅子に縛られているので早く行ってあげて下さい
かなりの怪我を負っているようですから
早く!!」
「かんすけ〜〜!!」
名前を呼びながら彼のそばに行くと
ボロボロになって椅子に縛られていた。
顔は腫れ上がり腕や足にあざができて
ひどく傷めつかられたのが手に取るように
わかった。
すぐに縛られていた縄を解く、
そこに長谷川さんが男を引き摺りながら
私たちのもとに来て男を椅子に座らせて縛り付けた。
「これでひと安心ですね、いゃ〜、このワンちゃんに助けられました、あのままだったら
もっと打たれていましたよ僕は!
ありがとう!ワンちゃん」
と言いながらりんの顔に頬ずりしていた。
いつもだったら知らない人は自分には
近づけない「りん」なのに長谷川さんの
されるがままになっていた。
尻尾が扇風機のようにグルグルと回っていた。
「バンと音がしたと同時にりんが騒ぎ始めたの
ドアを開けると倉庫の方に駆け出して行って
その後はご覧の通りよ」
「そうですか、本当にありがとう!りんちゃん!
それと、お嬢様、僕は探偵事務所の新しい助手
という事にしておいて下さい自分の正体が
バレるとまずい事になりますから」
「はい、分かりました、ごめんなさい
怪我をさせてしまって」
「僕のことは、大丈夫です、それより警察と救急
を呼んで下さい」
「そうでした!!缶助を病院に連れて行かなくちゃ、長谷川さんも!」
すぐに木戸刑事と救急に連絡した。
その時、缶助の意識が戻った。
「か、夏凛さん、どうしてここが?
危ないじゃ無いですか!す、すぐに隠れて下さい
奴が来ますから、早く!!」
ボロボロなのは自分なのにそれでも
私の心配をしている......。
「缶助さん、もう大丈夫ですよ、
犯人はそこで伸びていますから」
「えっ!!長谷川さん!あなたが.........」
「いえいえ、僕だけの力じゃ無いですよ
ほら、ここにいる勇敢なWhite・dogが
僕を助けてくれたんです」
「副所長!君も来てくれたのか、
長谷川さん、夏凛さん、それに僕の事も
みんなを助けてくれたんだね、ありがとう!
りんちゃん」
缶助はりんを抱きしめていた。
りんも缶助のアザの所をペロペロと舐めていた。
遠くにパトカーのサイレンが聞こえる。
時期にここへ来るだろう。
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